【原文・現代語訳】帰京(『土佐日記』より)
(1)京に入り立ちてうれし。 原文 ①京に入り立ちてうれし。②家に至りて、門に入るに、月明ければ、いとよくありさま見ゆ。③聞きしよりもまして、いふかひなくぞこぼれ破れたる。④家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり。⑤「中垣こそあれ、一つ...
(3)忘れがたく、……
① 忘れがたく、くちをしきこと多かれど、え尽くさず。
忘れられず、残念なことが多いけれど、全部を書きつくすことはできない。
忘れがたく=[形]ク「忘れがたし」用
くちをしき=[形]シク「くちをし」体
こと=[名]
多かれ=[形]ク「多し」已
ど=[接助]逆接の確定条件
え=[副]
尽くさ=[動]サ四「尽くす」未
ず=[助動]打消「ず」止
くちをしき=[形]シク「くちをし」体
こと=[名]
多かれ=[形]ク「多し」已
ど=[接助]逆接の確定条件
え=[副]
尽くさ=[動]サ四「尽くす」未
ず=[助動]打消「ず」止
② とまれかうまれ、とく破りてむ。
とにもかくにも、〔これを〕早く破いてしまおう。
とまれかうまれ=[連語]
とく=[形]ク「とし」用
破り=[動]ラ四「破る」用
て=[助動]強意「つ」未
む=[助動]意志「む」止
とく=[形]ク「とし」用
破り=[動]ラ四「破る」用
て=[助動]強意「つ」未
む=[助動]意志「む」止