【品詞分解】門出/馬のはなむけ(『土佐日記』より)

土佐日記_門出 高校古典
【原文・現代語訳】門出/馬のはなむけ(『土佐日記』より)
(1)男もすなる日記といふものを、…… 原文 ①男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。 ②それの年の十二月の二十日余り一日の日の戌の時に、門出す。③そのよし、いささかにものに書きつく。 現代語訳 ①男も書くという日記という...

(3)二十三日。八木のやすのりといふ人あり。

① 二十三日。八木のやすのりといふ人あり。
二十三日。八木のやすのりという人がいる。

二十三日=[名]
八木のやすのり=[名]
=[格助]引用
いふ=[動]ハ四「いふ」体
=[名]
あり=[動]ラ変「あり」止

② この人、国に必ずしも言ひ使ふ者にもあらざなり。
この人は、国司の役所で必ずしも召し使っている者でもないようである。

この=[連語]
=[名]
=[名]
=[格助]場所
必ずしも=[副]
言ひ使ふ=[動]ハ四「言ひ使ふ」体
=[名]
=[助動]断定「なり」用
=[係助]同趣の一つ
あら=[動]ラ変「あり」未
=[助動]打消「ず」体・撥音便・撥音の無表記
なり=[助動]伝聞「なり」止

③ これぞ、たたはしきやうにて、馬のはなむけしたる。
〔それなのに〕この人は、いかめしく厳かな様子で、送別の宴をした。

これ=[名]
=[係助]強意(結びの語:たる)
たたはしき=[形]シク「たたはし」体
やう=[名]
=[助動]断定「なり」用
=[接助]単純な接続
馬のはなむけ=[名]
=[動]サ変「す」
たる=[助動]完了「たり」体

④ 守柄にやあらむ、国人の心の常として、「今は。」とて見えざなるを、
〔それも〕国司の人柄であろうか、任国の人の心の常としては、「今は〔もう用はない〕。」といって顔を見せないようだが、

守柄=[名]
=[助動]断定「なり」用
=[係助]疑問(結びの語:む)
あら=[動]ラ変「あり」未
=[助動]推量「む」体
国人=[名]
=[格助]連体修飾格
=[名]
=[格助]連体修飾格
=[名]
=[助動]断定「たり」用
して=[接助]単純な接続
=[名]
=[係助]区別
とて=[格助]引用
見え=[動]ヤ下二「見ゆ」未
=[助動]打消「ず」体・撥音便・撥音の無表記
なる=[助動]推定「なり」体
=[接助]逆接の確定条件

⑤ 心ある者は、恥ぢずになむ来ける。
道理をわきまえている者は、〔ひと目を〕遠慮せずに来た。

=[名]
ある=[動]ラ変「あり」体
=[名]
=[係助]区別
恥ぢ=[動]ダ上二「恥づ」未
=[助動]打消「ず」用
=[格助]状態
なむ=[係助]強意(結びの語:ける)
=[動]カ変「来」用
ける=[助動]過去「けり」体

⑥ これは、ものによりてほむるにしもあらず。
これは、餞別の品をもらったからほめるというわけでもない。

これ=[名]
=[係助]主題の提示
もの=[名]
=[格助]原因・理由
より=[動]ラ四「よる」用
=[接助]単純な接続
ほむる=[動]マ下二「ほむ」体
=[助動]断定「なり」用
しも=[副助]強意
あら=[動]ラ変「あり」未
=[助動]打消「ず」止

⑦ 二十四日。講師、馬のはなむけしに出でませり。
二十四日。国分寺の僧侶が、送別の宴をしにおいでになった。

二十四日=[名]
講師=[名]
馬のはなむけ=[名]
=[動]サ変「す」用
=[格助]動作の目的
出でませ=[動]サ四「出でます」已
=[助動]完了「り」止

⑧ ありとある上・下、童まで酔ひしれて、
人はみな〔身分の〕上下を問わず、子どもまで酔っぱらって、

あり=[動]ラ変「あり」用
=[格助]強意
ある=[動]ラ変「あり」体
=[名]
=[名]
=[名]
まで=[副助]添加
酔ひしれ=[動]ラ下二「酔ひしる」用
=[接助]単純な接続

⑨ 一文字をだに知らぬ者、しが足は十文字に踏みてぞ遊ぶ。
一という文字さえも知らない者が、その足を十という文字に踏んで遊ぶ。

一文字=[名]
=[格助]動作の対象
だに=[副助]類推
知ら=[動]ラ四「知る」未
=[助動]打消「ず」体
=[名]
=[名]
=[格助]連体修飾格
=[名]
=[係助]主題の提示
十文字=[名]
=[格助]状態・状況
踏み=[動]マ四「踏む」用
=[接助]単純な接続
=[係助]強意(結びの語:遊ぶ)
遊ぶ=[動]バ四「遊ぶ」体
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