【原文・現代語訳】門出/馬のはなむけ(『土佐日記』より)
(1)男もすなる日記といふものを、…… 原文 ①男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。 ②それの年の十二月の二十日余り一日の日の戌の時に、門出す。③そのよし、いささかにものに書きつく。 現代語訳 ①男も書くという日記という...
(1)男もすなる日記といふものを、……
① 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。
男も書くという日記というものを、女〔の私〕も書いてみようと思って、書くのである。
男=[名]
も=[係助]同趣の一つ
す=[動]サ変「す」止
なる=[助動]伝聞「なり」体
日記=[名]
と=[格助]引用
いふ=[動]ハ四「いふ」体
もの=[名]
を=[格助]動作の対象
女=[名]
も=[係助]同趣の一つ
し=[動]サ変「す」用
て=[接助]単純な接続
み=[動]マ上一「みる」未
む=[助動]意志「む」止
とて=[格助]動機・目的
する=[動]サ変「す」体
なり=[助動]断定「なり」止
も=[係助]同趣の一つ
す=[動]サ変「す」止
なる=[助動]伝聞「なり」体
日記=[名]
と=[格助]引用
いふ=[動]ハ四「いふ」体
もの=[名]
を=[格助]動作の対象
女=[名]
も=[係助]同趣の一つ
し=[動]サ変「す」用
て=[接助]単純な接続
み=[動]マ上一「みる」未
む=[助動]意志「む」止
とて=[格助]動機・目的
する=[動]サ変「す」体
なり=[助動]断定「なり」止
② それの年の十二月の二十日余り一日の日の戌の時に、門出す。
ある年の十二月二十一日の午後八時ごろに、出発する。
それ=[名]
の=[格助]連体修飾格
年=[名]
の=[格助]連体修飾格
十二月=[名]
の=[格助]連体修飾格
二十日余り一日=[名]
の=[格助]連体修飾格
日=[名]
の=[格助]連体修飾格
戌=[名]
の=[格助]連体修飾格
時=[名]
に=[格助]時
門出=[名]
の=[格助]連体修飾格
年=[名]
の=[格助]連体修飾格
十二月=[名]
の=[格助]連体修飾格
二十日余り一日=[名]
の=[格助]連体修飾格
日=[名]
の=[格助]連体修飾格
戌=[名]
の=[格助]連体修飾格
時=[名]
に=[格助]時
門出=[名]
③ そのよし、いささかにものに書きつく。
そのときのことを、少しばかりものに書きしるす。
その=[連語]
よし=[名]
いささかに=[形動]ナリ「いささかなり」用
もの=[名]
に=[格助]動作の対象
書きつく=[動]カ下二「書きつく」止
よし=[名]
いささかに=[形動]ナリ「いささかなり」用
もの=[名]
に=[格助]動作の対象
書きつく=[動]カ下二「書きつく」止