【解説】旅立ち(『おくのほそ道』より)【中学国語】

おくのほそ道_旅立ち(中学国語) 中学国語
【原文・現代語訳】旅立ち(『おくのほそ道』)【中学国語】
(1)月日は百代の過客にして、…… 原文 ①月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。②舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして、旅を栖とす。③古人も多く旅に死せるあり。 現代語訳 ①月日は永遠にとどまるこ...

(1)月日は百代の過客にして、……

① 月日は百代の過客[1]にして、行きかふ年もまた旅人なり。
月日は永遠にとどまることのない旅人であって、やってきては過ぎ去る年もまた旅人である。

[1] 百代の過客=李白の「春夜宴桃李園序」にある「夫天地者万物之逆旅、光陰者百代之過客」(夫れ天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり)に由来。
対句=「月日は百代の過客にして」と「行きかふ年もまた旅人なり」

② 舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして、旅を栖とす。
〔船頭として〕舟の上で一生を過ごす者や、〔馬子として〕馬のくつわを取って老年を迎える者は、毎日が旅であって、旅を住まいとしている。

対句=「舟の上に生涯を浮かべ」と「馬の口とらへて老いを迎ふる」

③ 古人[2]も多く旅に死せるあり。
〔風雅の道に生きた〕昔の人も旅の途中で亡くなった人は多い。

[2] 古人=芭蕉が尊敬していた、李白、杜甫、西行、宗祇らをさす。
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